診療現場からの報告

第61話:EDと肥満 [細川]

EDというと、すぐにストレスなどのメンタルな問題と思ってしまいがちですが、EDは一番初めにに自覚する生活習慣病であるとする専門家もいるくらいで、 実は、太っている人ほどEDになりやすいと言われています。

つまり、肥満度と勃起力は反比例するというわけです。

実際のところ、肥満とEDはどの程度関連しているものなのか、これまでにいくつかの研究報告がなされています。

イタリアで35歳から55歳の110人のEDの肥満男性に、健康的な食生活と運動によって、10%以上のダイエットに取り組むように指導したところ、2年後には平均で15キロ減量し、3分の1の男性はEDが直ってしまったとのこと。(Journal of the American Medical Association June 23-30 , 2004)

また、ED男性の5人に4人はBMI(体格指数)が25以上で、BMIが28.7を超えると、標準の男性に比べて、30%もEDになる確率が高くなるとのこと(Journal of Urology 292;2467)。

そもそも、肥満は、勃起力だけでなく、糖尿病や高血圧、心臓病にかかりやすいわけで、メタボからの脱却は、健康にとっても切実な問題です。

お腹の出っ張りとともに、勃起力が心配になってきた男性は、まずは、食生活の改善と適度な運動で、ダイエットに取りくむことをお勧めします。

なにも、20代の頃のスリムな体型に戻さなくても、5%程度の減量で、勃起力の十分な回復が期待できるそうです。

また、ED治療薬(バイアグラレビトラシアリス)を服用している方は、ダイエットすることで、少ないお薬の量で済むようになるはずです。