診療現場からの報告

第66話:HP広告の嘘 [院長/西川]

昨日、30代の男性の方が、ペニスに出現した出来物を気にされて来院されました。
1週間ほど前に気付いたとの事。 肉眼で、明らかに尖形コンジロームであったので、その原因、病態、治療法、治療後の経過、それと治療費用をお伝えして、当日治療を受けられました。

彼が来院された目的は、実はもう一つあって、2年前に受けられた包茎手術に関するものでした。
亀頭冠から3cmほど離れた部位に、スーチャ―マーク(縫合した糸が作った傷跡の事ですが)の目立つ、瘢痕化して硬くなった部位を伴った、決してきれいとは言い難い傷跡がありました。
術前の状態をお伺いしたところ、単なる軽度の仮性包茎だったとの事で、包皮もしっかりしたものでした。
術前の説明では、傷跡は亀頭に隠れて、全く目立たなくなると言われたそうです。

こういう例は、当院でもよく見かけるのですが、彼が手術を受けられた施設のHPを見てみると、“認定専門医が行う最高レベルの手術”、“目立たない傷跡”、“最高水準の包茎手術”、 “アルバイトDrはいない”、などと書かれていて、安心、安全、信頼の文字が目立ちます。

実は、彼の手術をしていたのは、アルバイトDrで、この施設の院長というのは、認定専門医(何の専門医かさえよく判りませんが)なんかじゃないし、ころころ院長は変わっている様子だし、最高レベルの手術っていったい何なのか、さっぱり判りません。

これ以上(まだまだたくさんあるのですが)他院の事をけなすのは止めますが、これほど判りやすい嘘広告なのに、そう簡単には引っかからないようにして下さい。 ちょっと調べれば判りそうなものなのですが。