診療現場からの報告

第160話: チョコとED [カウンセラー/森下]

体内で分泌される一酸化窒素(NO)には、血管を柔軟にし、血液がキレイになる。脳神経を活性化するといった様々な健康効果があります。一酸化窒素といえば光化学スモッグや酸性雨の原因となる大気汚染物質のひとつです。それが体内では健康維持に役立つなんて不思議なものです。

一酸化窒素といえば、男性にとって悩みの種ともいえるEDと密接な関係があります(第114話 レビトラって凄い?)。一酸化窒素の分泌量は加齢によって減少し、勃起が弱まる要因となります。
そこで、低減した一酸化窒素の分泌量を増やす方法をご紹介します。

一酸化窒素による血管弛緩作用を発見したUCLAのルイス・J・イグナロ博士によると、一酸化窒素の体内生産量を増やすには『健康的な食事』『中程度の有酸素運動』『サプリメントの摂取』が重要だそうです。ちなみに博士はこうした健康法を取り入れて、64歳でマラソン初挑戦し完走までされています。

一酸化窒素の分泌に有効なのはこれだけではありません。入浴も効果があります。40〜41度のお湯に10分間、肩までしっかりと浸かる。こうした入浴を繰り返すことで一酸化窒素の分泌量は増加します(第143話 Let's 入浴)(第145話 Let's 入浴(2))。

また、意外にもビターチョコレート(砂糖、ミルクが入っていないチョコレート)も効果的があるんです。カカオに含まれるフラバノールという成分が、一酸化窒素の体内生産に影響を与えるのです。しかも緑茶を一緒に摂取することで、フラバノールはより効果的に作用します。
甘いものが苦手な男性でもビ、ターチョコレートであれば多少は食べれるのではないでしょうか。

余談ですが、こうした一酸化窒素の分泌を促進する生活は、ひと昔前までの日本人の生活に合致していると思いませんか?