診療現場からの報告

第184話: 偽造ED治療薬4社合同調査結果 [カウンセラー/森下]

2016年11月24日、国内でED(勃起不全)治療薬を製造・販売している4社(ファイザー株式会社、バイエル薬品株式会社、日本新薬株式会社、日本イーライリリー株式会社)合同によるインターネットで入手したED治療薬の鑑定調査を実施し、その結果が公表されました。
※参考サイトhttps://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2016/2016_11_24_02.html

ご存知かもしれませんが、2009年にも上記製薬会社4社合同にて「ネットで購入した医薬品の真贋調査」の結果が発表されました。しかし、未だに偽造品は流通し続けており、康被害と経済被害が続いています。ちなみに2015年に税関で差し止められた偽造医薬品は、1,030件にのぼります。10年前に比べ、約100倍にまで膨らんでおり、その多くがED治療薬だそうです。
こうした背景から2回目となる今回の調査が行われ、4社合同で更なる注意喚起をされるようです。

今夏の調査結果を見ると、2009年の調査より偽造品流通の割合は減少傾向にありますが、未だに40%は偽造品が占めています。各製品別の鑑定では、承認されていない用量や表示されている用量とは異なる成分量を含有した偽造品も多く見つかっています。また、国内外で報告されている有害事象には、体の変調や死亡事故などもあるようです。

バイアグラレビトラシアリスといったED治療薬に限ったことではありませんが、医療品は必ず医療機関から入手してください。ちなみにこうした偽造品は、ネット上では「本物」「海外製のジェネリック医薬品」と偽って販売されているようです。

偽造ED治療薬の比較