診療現場からの報告

第187話: 最新の薄毛治療 [カウンセラー/森下]

現状の薄毛で悩む方、これからの薄毛で悩まれている方は男性女性を問わず少なくありません。
薄毛は原因も様々で、原因によってはプロペシア(フィナステリド)やザガーロといった薬の服用で症状の改善が期待できます。また、最近では注射による治療も徐々に増えてきています(説明はもっともらしくても、実際の効果は・・・といったものも少なくはありませんが)。

一昔前の薄毛治療といえば、自家植毛や育毛剤を用いた頭皮マッサージといったものばかりでした。治療というよりも対策といった要素が強かったように感じます。それが一部とはいえ、治療らしい治療が出てきたのは大きな変化に思います。

そんな中、毛髪に関する再生医療の分野での研究が色々と進みだしています。

東京医科大学病院と大手化粧品メーカー資生堂のグループでは、頭皮から取り出した“毛球部毛根鞘細胞”を数ヶ月かけて増やし頭皮に注入することで、細く短くなって頭皮に隠れた毛髪を太く長い髪の毛に戻すという研究が進められており、5、6年後の実用化を目指されています。

また理化学研究所や京セラなどのグループでは、髪の毛を作り出す“毛包”を再生する研究が始められています。こちらは頭皮から採取した“上皮性幹細胞”と“間葉性幹細胞”を培養し混ぜ合わせることで“毛包”を大量に再生し、これを再び頭皮に移植し髪の毛を作り出すという試みのようです。マウスを使った実験では、3週間ほどで発毛が確認できたということで、2020年の実用化を目指して研究が進められているようです。

現在、薄毛治療の主流とされるプロペシアやザガーロといった治療薬は、様々な脱毛症の中でもAGA(男性型脱毛症)にのみ効果が認められています。あくまで、ヘアサイクルを正常な状態へ戻すことで、既存の毛包に残る痩せ細った毛髪を再び太く長い毛髪へと成長させるというものです。毛包の数を増やすというものではありません。
もし理化学研究所や京セラの進める“毛包再生治療”が実用化されれば、AGAに限らず様々な脱毛症治療や女性の薄毛治療にも希望が出てきます。

それにしても、医学の進歩は目覚ましいものです。
このままいけば、今世紀中には毛髪に関わらず、歯や眼、骨といった加齢によって生じる様々な身体の悩みが無くなっているかもしれませんね。