診療現場からの報告

第189話: セックスレスとバイアグラ [カウンセラー/森下]

先日、一般社団法人日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」により、セックスレス(※)と言われる夫婦の割合が、過去最高の47.2%になることが分かりました。15年前(2004年)の調査では31.9%だった数値が、ここまで増加するとは誰も考えていなかったと思います。

※セックスレス・・・日本人の場合、1ヶ月以上性交渉がなく、その後も長期にわたることが予想される状態を指します。

男性が奥さんを性的な対象と見れなくなるには次のような理由があります。
【1】性的魅力を感じない
【2】セックスを拒否された
【3】ED

冒頭の調査で女性が答えたセックスレスの理由としては、「面倒くさい」と「出産後なんとなく」が42%を占めます。女性はなんとなくセックスを拒否することが多いようです。
しかし、拒否される度に男性の中には「また拒否されるかも」という心理的な壁ができ、徐々にセックスから疎遠になっていきます。

また、EDで悩む男性は、セックスを敬遠する傾向があります。奥さんに知られたくなかったり、ご自身が嫌な思いをしたくないという想いが強い方は特にです。

こういった状態の男性にセックスレスになる理由を尋ねたところで、「疲れているから(35.2%)」といった無難な回答が多くなるのは当然に思えます。

90年代、共働き世帯が専業主婦世帯に肩を並べ、2000年以降は共働き世帯が増え続け、2015年には共働き世帯1114万世帯に対し専業主婦世帯687万世帯となりました。こうした中で、奥さんの負担が増えていることは否めませんし、これまでの様に円滑な夫婦間でのセックスが営めなくなっているのも頷けます。

セックスレス夫婦の増加には、夫婦間の問題と社会構造の問題が複雑に絡まっているわけです。
ED患者さんの増加も、同じような事が原因に考えられます。今後、バイアグラやレビトラ、シアリスといったED治療薬が夫婦関係の維持に必須なんて時代が訪れるかもしれませんね。