診療現場からの報告

第212話:ネット薬局でED治療薬[カウンセラー/森下]

以前から、ネットでED治療薬を入手することのリスクについては度々お伝えしてきました。
少し前の記事になりますが、違法医薬品販売ウェブサイト(オンライン薬局)に関する記事を見つけたのでお伝えします。

インターネットで未承認の医療用医薬品を販売するホームページは世界に約3万以上存在し、うち97%が不正なホームページだと言われています。しかも、そのうちの約1割が日本語のホームページだったそうです。こうしたなかには「ロイユニオン(Roy Union Limited)」と呼ばれるような、50以上の不正オンライン薬局に関するネットワークもあるようで、日本向けに処方箋なしで様々な薬が販売されています。
いつの間にか、日本は不正医薬品販売のサイバー犯罪の、世界2位の標的になっていたようです。

このロイユニオンのホームページには「個人輸入代行業」という記載がされていて、合法と明記されているそうです。しかし個人輸入の規則には、全く従っていないそうです。そもそも医薬品医療機器法によって、未承認薬を宣伝する行為は禁止されています。ホームページで少しでも未承認医薬品を宣伝すれば違法行為となります。

また、このネットワークのホームページでは 、ED治療薬、抗鬱剤、避妊薬、糖尿病の治療薬、抗がん剤、抗エイズ薬から向精神薬、なかには動物用の処方せん医薬品が扱われている事もあり、かなり広範囲に商品を扱っているようです。
当然、販売している薬は全て「本物」だと記載されていますが、認定された製造業者が製造していることはなく、品質管理もなされていないそうです。

皆さんも一度は目にしたことがあるホームページ「オオサ●堂」も、ロイユニオンが運用するホームページの一つだそうです。J●SA、オラ●ダ屋、彩●といったホームページも同様です。海外ではインターネットで購入した医薬品による死亡例も報告されています。
このようなホームページでの違法販売に手を出すことはない様にしてください。

▼このような記載があるホームページもあるようです。
●●●は販売店では無く、個人輸入のお手伝いをするサービスを提供しております。あくまでも「自己責任」の範疇でご依頼及びご使用くださいませ。 弊社の責任範囲はお客様のオーダー通りの商品を仕入れ発送し、お客様の元に到着するまでが責任範囲とさせて頂きます。ご了承くださいませ。
また「効かないので偽物」ではなく、輸入者の方には効果が無かった……のだと思います。
偽物というからには、偽物である証明を取ってくださいますようお願い致します。成分検査やメーカーへの持ち込み(日本にメーカーがあるのでしたら)等で、簡単に本物か偽物の判定は可能だと思います。上記ご理解の上、対応して頂けますよう宜しくお願い致します。

(参考:https://www.legitscript.com/blog/2013/03/rogue-internet-pharmacy-network-roy-union-limited-targets-japanese-customers/)