心斎橋中央クリニック

タイトル「診療現場からの報告」

第58話:男性に更年期障害? [院長/西川]

仲間内の内科医達は、最近男性の鬱(うつ)症状の受診者がやけに多いと口をそろえて言っています。
やる気がどうも出ない、何故か根気がなくなってきたように思う、疲れやすい、寝付きが悪い、カラダのどこかが筋肉痛のような気がする、何となく熱っぽい、小便が近くなったような、等々このような症状を訴える者が増えているんじゃないか、と言うのです。

昔に比べて増えている、減っている、は正確な統計がないので何とも言えませんが、ただ、男性ホルモンは20代をピークに減少を続け、40代以降はさらにその減少のスピードを速めます。
この男性ホルモン(主にテストステロンですが)の減少は、上記のような不定愁訴をもたらすことになります。

女性の場合は、閉経前後という更年期が明確であるので(ホルモン値の動きも比較的判りやすいので)、至極一般的に、更年期障害という概念は定着していますが、男性の場合は、“まあ年だから”なんて事で済まされてきた面は多分にあると思います。

うつ病がクローズアップされて久しいですが、うつ病と、この男性更年期の見極めはかなり困難な場合もあって、意外と安易に抗うつ薬を処方される場合もあるようですが、単なる男性ホルモンの低下だったりする事も多いんじゃないかと感じています。

うつ病はEDを併発しますが、その治療薬である抗うつ薬には、性欲の減退を併発する副作用があります。
やっかいですね。

 

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