心斎橋中央クリニック

タイトル「診療現場からの報告」

第252話:性交渉でアレルギー [カウンセラー/森下]

少し前に、米国で性交渉後に眩暈や下痢、手足のかゆみ、発汗といった異常を感じた女性がおられました。医療機関を受診すると、アレルギー反応が生じてアナフィラキシーショックを起こしていたそうです。

一般的にアレルギーといえば、食物アレルギーや花粉症が有名です。他にも蜂やダニといった虫から、ハウスダストやホルムアルデヒド、PM2.5、黄砂など、様々なものがアレルギーをひき起こします。 今回、この女性にアレルギーが生じた原因は、まさかの精液でした。精子がアレルゲンになるとは、少々驚きですね。

精子アレルギーは、他のアレルギーと同様に突然発症することがあります。また、特定の人物の精液にのみアレルギーが起きることもある様です。 ただ、精子アレルギーだからといって、パートナーとの性行為ができないわけではありません。コンドームを着用すれば女性が精液に触れるリスクは最大限回避できます。

ちなみに今回のケースでは、女性にペニシリンアレルギーがあり、たまたま男性が感染症の治療でペニシリン系の抗生物質を摂取していたという偶然が重なっていました。このため、受診された医療機関の診断としては、精液そのものが原因ではなく、精液を介してペニシリンが女性の膣に入ったためにアレルギーを起こした可能性が高いという事でした。

最近ではシリコン製でゴムアレルギーの方でも使用できるコンドームも普通に販売されています。コンドームは避妊、性感染症予防、アレルギー対策にと、幅広い用途で活用出来ますので、出来る限り使用される事をお勧めします(最近、性感染症のご相談を受けることが非常に多くなっています)。

 

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