今日は、ご友人からシアリスを貰って飲んでいたという、年配の患者さんが来院されました。

一応、シアリスに間違いがないか薬について確認をすると、

• ボトル入り
• 20㎎より明らかに大きいサイズ
• 個人輸入かネットで購入

という事でした。間違いなく偽造品（非正規品）です。

恐らく、ご友人は厚意で薬をお譲りになられたのだと思いますが、患者さんには持病があり、薬も服用されておられます。一歩間違えば事故につながる危険な行為です。
偽造品には本来は含まれていない様々な成分が含まれている事もあり、意識不明で病院に運ばれたという報告もあります。ご自身が非正規品を服用されるのであれば、それは自己責任の範疇です。でも、人に譲るとなれば話は変わります。薬の譲り渡しは絶対に行うべきではありません。

こうした事をお伝えすると、患者さんには偽造品という認識はなかった様で、驚いておられました。一般の方の中には「本物（正規品）＝効く」、「偽物（非正規品）＝効かない」といった、間違ったイメージがあるのだと思います。
カウンセリングを終えると、「わざわざ和歌山から来て良かったです。」とおっしゃられて、正規のタダラフィル（シアリス）を持って帰られました。

最近では承認されていない非正規品を、当たり前のように処方している医療機関も増えています。11月に入ってからはED系の広告が増えるので、SNSでは目を疑う様な内容の広告をよく見かけるようになりました。
本当に安全な国内承認薬は、きちんとした医療機関で処方される「シルデナフィル（バイアグラ）」「バルデナフィル（レビトラ）」「シアリス（タダラフィル）」の3種類だけです。
見極めが難しいとは思いますが、まともな医療機関を受診してください。

(参考)
第122話：自分だけは
第154話：病院で偽造バイアグラ？
第184話：偽造ED治療薬4社合同調査結果
第204話：非正規品が処方・・・
第340話：“C100”と書かれた薬