診療現場からの報告

第094話: ED治療薬の耐性 [カウンセラー/森下]

ED治療薬を使われている患者様から受けるご質問で最も多いのが「最近、薬が効かなくなった」というものです。
結論から言えば、ED治療薬に耐性がつくということは極めて稀です。

ED治療薬はPDE5阻害薬とも呼ばれます。
勃起を解く酵素(PDE5)の分泌を抑制しつつ、一酸化窒素(NO)の産生を増やし血管の機能を改善させていく作用があるためです。飲めば飲むほどに血管の機能が改善しますし、もともとの血流が良くなればED改善の可能性がでてきます。
ED治療薬は風邪薬のように、ただ症状を抑えるだけのものとは違うのです。

こうした薬が効かないという患者様のお話をお聞きすると、次のような共通点があります。

  • 服用の前後に食事をしている。
  • 飲酒をしている。
  • 性的な刺激が少ない。
  • 寝不足、過労気味
  • 数回しか服用していない。

これらはどれも、ED治療薬の効果を低減させるものばかりです。
これでは「効かなくなった」のではなく「効かなくしている」とも言える状態です。
お心当たりがあるようなら改善を試みてください。ほとんどの方の場合、効果があるはずです。

もし、これらに当てはまらなかった場合は、高血圧、動脈硬化、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病やうつ病に注意が必要です。 EDには生活習慣病が隠れているケースが多くあります(第89話:メタボ(肥満)とED)。適度な運動や食生活の改善等を行うことで、治療薬の効きが良くなる可能性があります。

それでもだめだった場合、お薬を変更するという方法も残っています。その際は、お気軽にご相談下さい。