診療現場からの報告

第178話: プロペシアが駄目でも [カウンセラー/森下]

当院でもついにAGA(男性型脱毛症)治療薬を取り扱う運びとなりました。
取り扱う薬は次の2剤です。

ともにAGA(男性型脱毛症)の治療薬ですが、この二つには大きな違いがあります。
それは承認の得られた効果効能です。

「飲むだけで髪の毛が生える!」と世間を賑わせたAGA(男性型脱毛症)治療薬プロペシアですが、実は承認を受けている効果効能は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」となっています。
これに対し、新薬であるザガーロはと言うと「男性における男性型脱毛症」となっており、進行遅延は当然ながら、発毛、増毛、育毛といった男性型脱毛症全般に効果が認められております。
プロペシア、ザガーロはともに還元酵素阻害薬であり、DHTの生成を抑える働きがあります。同じ働きをする薬であるにもかかわらず効果効能に差があるわけです。

その理由は、阻害する還元酵素の違いにあります。
プロペシアが阻害する還元酵素は2型と呼ばれる種類になります。ザガーロはこの2型に加え、1型の還元酵素までも阻害します。
この差が承認された効果効能の差となったのでしょう。

とは言え、プロペシアが本当にAGA(男性型脱毛症)の進行遅延程度の効果しかないかは、皆さん周知のとおりです。そう考えるとザガーロの効果がどれだけ凄いものなのか、なんとなくでも想像はしていただけるのではないでしょうか。

ちなみにザガーロはプロペシアと比較し、1.6倍の効果が在るといわれています(この実験については改めてご紹介させてたいただきます)。さらに、日本に先駆けて発売されていた韓国では、プロペシアでは効果が得られなかった方でも、ザガーロでは効果が得られているケースもあるそうです。

パワフルで効果の強いザガーロと、ジェネリックが発売され家計に優しくなったプロペシア。選択肢が増えたことで、これまで治療を頓挫しておられた方が, AGA治療を再開されるきっかけになるのではないでしょうか。