診療現場からの報告

第215話:マンネリ脱却、ED脱却[カウンセラー/森下]

ドイツで、交際期間による性行為の満足度の変化について、研究がおこなわれたそうです。
この研究では、交際当初は性行為の満足度が高く、年次経過で満足度は低下するという結果が出ました。これまでも同様の研究報告は行われてきましたが、同居や結婚といった環境の変化が性行為の満足度に影響を与えるという内容でした。
しかし、今回の研究では環境の変化による影響はほとんど見らませんでした。単純に、年次経過による“マンネリ”や“慣れ”が、性行為の満足度が低下する原因だという結果になりました。

因みに、こうした研究は一般的に数十人程度の小規模な研究で終わることが多いのですが、今回の研究は2800人超のカップル(同性愛者を除く)を対象に行われました。これだけの規模で行われれば、一定の信憑性はあるように思われます。

性行為の“マンネリ”や“慣れ”は、パートナーに対して口にし難い話題の一つです。
長期にわたる同一パートナーとの性行為では『慣れ』が生じ、得られる刺激は低減します。こうした認識を持っておられる男性は、少なくないと思います。とはいえ、“マンネリ”や“慣れ”は感覚的な認識でしかなく、伝えるパートナーによってはトラブルを招きかねません。
難しい問題です。

当然、こうした性的刺激の低減は、男性の勃起にも大きく影響します。
同一パートナーとの性交渉は、回を重ねるごとに色々と簡略化されてしまう部分もあり、どうしても「昔のように、、、」とはいかなくなりますよね。
EDの発症を回避するという意味でも、長期にわたり性行為の満足度を維持する事は重要です。パートナーとの関係が長期化すればするほど、環境や状況に変化を付ける等、新鮮な気持ちを維持するための努力が必要というわけです。日本人の場合、パートナーとの期間が長ければ長いほど、こうした努力を忘れているように感じます。日本人が苦手とする部分ですね。ちょっとした工夫が、ED改善の足掛かりになるなんてこともありますよ。