診療現場からの報告

第289話:困った患者さん2[カウンセラー/森下]

待合やカウンセリングルームで、当たり前のように携帯電話で通話される患者さんがおられます。こうした方はご自身の声の大きさに気付いておられないように感じます。例え待合に人がいなくても、診察室や手術室には他の患者さんがおられます。
いくら急な用事で電話がかかってきたとしても、院内での通話はやはり控えていただきたいものです。
さて、本日来院された患者さん(30歳、会社員)も、そうしたタイプの方でした。
カウンセリングルームで本人確認のためお名前をお伺いしたのですが、下を見たまま無反応で微動だにされません。何度も問いかけると、急に「何ですか?」と反応をされました。気を取り直して氏名を確認したのですが、次の瞬間にはまた下を向いて無反応…
どうやら机の下でスマホを見て(操作して)おられるようです。目の前でこちらが話しかけているにもかかわらず、スマホに集中…。
「スマホを触らないで頂けますか」と注意をすると、「すみません」と謝罪をされた次の瞬間にはまた下を向き無反応…
もうお手上げです。
お引き取り願おうと、「何をしに来院されたのですか?」と尋ねると、状況を理解された様できちんと顔を見て受け答えをされるようになりました。お帰りの際には「どうしても気になることがあって携帯を触ってしまっていた」と、謝罪されていました。
急ぎの用事もあるとは思いますが、一刻一秒を争うなら教えていただくと助かります。
<参考>
  • 第226話:困った患者さん