診療現場からの報告

第57話:“朝立ち(夜間勃起現象)”について [西川]

ED治療薬(バイアグラレビトラシアリス)を服用されている方から、毎日のように次のような言葉をかけられます。
「長い間なくなっていた“朝立ち”が起こるようになってきました。何やら感激です!」と。

勃起には、反射性のものと心因性のものがあって、それぞれに神経伝達が異なるのですが、いずれも自律神経(主に副交感神経ですが)の作用によって海綿体の平滑筋を弛緩させ、血液を充満させることで勃起を完成させています。

勃起は、性的な興奮(心因性)があって始めて勃起のメカニズムが作動するものと思われているでしょうが、実は、寝ている間にも何回も勃起する場合があります。睡眠には、レム睡眠、ノンレム睡眠の2種類あるのは多くの方がご存じだと思いますが、脳が覚醒に近い状態であるレム睡眠時に勃起が起こることがしばしばあります。
ちょうどこの目覚めのよいレム睡眠時に起床すると、“朝立ち”を経験する訳です。

ED傾向と、この“朝立ち”がなくなった事とは、大いに相関関係があります。
「近頃“朝立ち”はまるで経験ないや。」という方は、要注意ではないでしょうか。