診療現場からの報告

第84話:高齢者のコンドーム使用の必要性 [カウンセラー/森下]

EDに関して来院される方がよくおっしゃられる言葉、「やっぱり年かなあ〜。」

実は高齢になってもテストステロンは生産されるし、定期的な、ほどほどの性交渉は大事だし(そうでないとホルモンバランスが崩れたりする訳で)、当然性行為が出来ないのは“年のせい”などと言う事はありません。
そこで、先月、アメリカの内分泌学会がEndocrine Newsに載せた記事を紹介しておきます。

『米国内分泌学会は、発行するEndocrine News誌9月号で「中高年のセックス教育が重要」と呼びかけている。80歳まではテストステロンの血中濃度は高水準になると指摘。その上で、80歳までは性活動に積極的であることを否定する必要はなく、常にコンドームを着用するよう指導し続けるべきであると強調した。
学会は、最近の研究として、57歳から64歳までの73%、65歳から74歳までの53%、75歳から85歳までの26%が性的に活発だと説明。今、中高年層の性感染症の感染率が高まりつつあると警告した。Sexual Transmitted Infections誌によれば、ここ10年間で感染率が2倍になった。理由は「妊娠の懸念がなく、コンドームを使わないから」と想定する。米国疾患対策センターによると、国では新規HIV感染症の17%、新規AIDS診断者の23%は50歳以上となっているという。 』

恐らくは日本でも同じ事が言えそうです。
高齢者であろうと、こうがん機能はまだまだ活発で、当然性交渉は出来るようになっているし、大事でもある故、上記の如く、性感染症には十分注意されて下さい。