診療現場からの報告

第113話: 偽造バイアグラの危険な正体 [カウンセラー/森下]

ED治療薬の偽造品については、ここでも何度もお伝えしていますし、ED治療薬のメーカー各社も盛んにその啓蒙には努めているようですが、これらの偽造品は相変わらずの状況のようです。

当院を受診される方の中にも、偽造品を使用した経験のある方は多く(ほとんどがネット販売業者から手に入れたか、あるいは友人にもらったかのいずれかですが)、効果がなかった、何やら副作用だけが強かった、等々まあ様々ですが、いつも次のようにお話しさせて頂いています。

●お金を振り込んだのに、商品が来なかった。
→「良かったじゃないですか。もうそのネット業者からは買わないですよね。」

●服用してみたけれど、ほとんど効果がなかった。
→「効果がなくてよかったですね。もう買わないですよね。」

●明らかに偽物っぽいんですが、安かったし、でもよく効くんですよ。

一番やっかいなのが3番目のパターンで、効果があるとその偽薬を継続する可能性が高く、効果があるという事は有効成分が入っているのでしょうが、製造方法、とくに添加物が極めて危険であります。
そのあたりの事は先日報告されたサンケイビズの以下の記事をぜひ参照下さい。

偽造バイアグラの危険な正体 日本だけ流通する「ゴールド」の謎
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/131022/ecb1310220600000-n1.htm

錠剤の着色料として食用ではなく塗料の青色ペンキを使用していたり、製造工場の作業員が土足で歩く室内には、原材料や完成品がじかに置かれていたり、殺虫剤の原料となるホウ酸のほか、黄色いレンガを削った粉末が着色・凝固材に使用されていたり。
驚く事にヒ素を混入しているものも見つかっています。

薬は、サプリメント(栄養補助食品)とは大きく違って、その製造工程はとてもシビアにコントロールされています。 ただ、上記の記事にある内容は、そのようなレベルの問題ではなくて、違法云々のレベルどころかもう滅茶苦茶としか言いようがありません。