診療現場からの報告

第140話: 朝勃ちしてますか? [カウンセラー/森下]

EDでお悩みの方が、まず最初に言われるのが朝勃ちの有無です。
10代の頃から続く生理現象である朝勃ちが、いつの間にかなくなっている。中折れや硬さ不足に心当たりがある場合は、やはり気になるものだと思います。

そもそも、私たち男性はレム睡眠時に勃起するという生理現象を持っており、睡眠中に何度も勃起をしています(夜間陰茎勃起現象)。レム睡眠とは意識レベルが高く、脳が起きる準備をしている状態での睡眠です。毎朝、私たちが自然に目覚めるのはレム睡眠時であることが多いため、起床時に勃起している朝勃ちという現象がおこります。当然、睡眠の質やサイクルの乱れ、起床タイミングのズレが生じると朝勃ちはしません。
つまり、『朝勃ちがなくなる』=『ED』とは一概には言えないのです。

気になるのは仕方ありませんが、あまり心配しすぎるのはよくありません。

ただし、器質性のEDを発症している場合、勃起機能そのものの低減により朝勃ちが減少していく可能性があります。例えば糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病による場合です。
高血圧や高脂血症などの注意を受けている方は、健康面の改善を心掛けて下さい。