第141話: コンジローマに御用心 [カウンセラー/森下]
先日、尖圭コンジローマの御相談を受けました。
患部を拝見すると、確かに尖圭コンジローマが発症しています。発症部位は、亀頭全体にかけて広範囲にわたっていました。
淋菌やクラミジアへの感染まではいきませんが、こうした尖圭コンジローマに感染された方のご来院が増えています。
尖形コンジローマの原因は、ヒトパピローマウイルス(以下、HPVと記載)というウィルスへの感染です。尖圭コンジローマの感染予防には、淋菌やクラミジアと同様にコンドームの装着が有効です。しかし、残念ながらコンドームを装着すれば安全とはいえません。
HPVは表皮に感染します。コンドームでカバーできていない部分にパートナーの感染箇所が接触すれば、尖圭コンジローマに感染する可能性が充分あります。
仮に尖圭コンジローマ感染した場合、潜伏期間は3週間〜6ヶ月と長く、感染源が特定できないケースが殆どです。
好発部位は、男性の場合は亀頭、尿道口、冠状溝、包皮内外板、陰嚢、肛門。女性の場合は膣、膣前庭、大小陰唇、子宮口、肛門、尿道口です(極稀に口腔内にも感染することもあります)。
特に肛門内や膣内などは発症を視認できないため、注意が必要です。
ちなみに尖圭コンジローマ周辺の皮膚には、HPVが潜在している可能性があります。このため治療しても再発するケースが多く、完治には時間と根気が必要です。多くの場合は治療後3〜6ヶ月再発しなければ一安心といったところでしょう。
見た目に異常が無くても、決して安心は出来ません。
なお包茎の方はHPV感染の確率が高く、当院に来院される尖圭コンジローマの方もほとんどが包茎の方です。
包茎の場合、普段から亀頭が包皮で覆われています。このため亀頭にできたコンジローマが、直接接触している包皮にまで感染しているというケースも少なくありません。
冒頭の患者さんも仮性包茎で、亀頭と包皮の両方に尖圭コンジローマが確認できました。
尖圭コンジローマでお悩みの場合は酷い包茎の方が多いので、可能であれば包茎手術も同時に行なわれる事をお勧めします。
コンジローマについてはこちらも参考にして下さい。