診療現場からの報告

第149話: バイアグラが不要になる日 [カウンセラー/森下]

一昔前からよく耳にする草食系男子というフレーズ。
当時は草食系という言葉に対して、漠然としたマイナスイメージを抱いたのを覚えています。

それが今となっては、草食系男子のマイナスイメージは払拭され、逆に積極的な男子は肉食系男子と呼ばれ異性にがっついている様なマイナスイメージが持たれているように思われます。

確かに、草食系男子といわれがちな20代男子のライフスタイルは、昔と違います。
例えば40歳前後〜年上の方が20代の頃は、運転免許とマイカー(バイク)が女性を遊びに誘う必須アイテムだったはずです。それが今の若者の多くは、免許も車も必要とはしていません。移動は公共交通機関を使えばよいという、非常に合理的な考えを持っています。

正直、私には理解できません。

異性との関係なんてものは、どこをとっても合理性に欠けています。合理性を求めれば、女性と恋愛自体に「?」がつく様な気がします。
そして実際に、最近の若者には人生において恋愛を必要としない男性が増えつつあります。
“絶食系男子”という若者です。

草食系男子は、恋愛はしたいけど異性と接するのが苦手で積極的になれないだけですが、絶食系男子は恋愛そのものに対して興味がありません。女性の友人もいますし、遊びにも行きます。しかし友人以上の特別な関係はそこには求めません。彼らには“今”の自分の時間を楽しむために必要かどうかという2択しかありません。特定のパートナーの存在は自分の自由な時間を妨げる、いわば不要なものと選別されるのでしょう。
性的刺激が欲しければ、スマホやPCで簡単にAV・アダルトコンテンツが楽しめます。
しかも自分の趣味趣向にぴったりなものが・・・

ちなみに2013年に相模ゴム工業(コンドームメーカー)が行った調査によると、20代男性の40.6%が童貞だったようです。また国の調査でも、30代未婚男性の25%以上が童貞だという結果が出ています。
「やらはた」「やらみそ」「送り狼」「据え膳食わぬは・・・」といった言葉は、若者達にはもう死語なのでしょうか。

このままだと、性風俗やバイアグラレビトラシアリスといったED治療薬の需要がなくなる日もそう遠くないかもしれませんね。