診療現場からの報告

第262話:ビールを飲もう [カウンセラー/森下]

性的な刺激を受けると陰茎の動脈が拡がり、海綿体に大量の血液が流れ込みます。勃起の正体は、血液が流れ込んだ海綿体の膨張なのです。

ところが、何らかの理由で血管の拡張が上手く行われず、海綿体に十分な血液量が流れない事があります。この現象がEDです。ED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス等)は、上手く拡張出来なくなった血管を一時的に拡張し、勃起に必要な血量を確保しようという薬です。

血管の拡張が阻害される原因の1つに、動脈硬化があります。 動脈硬化が進んだ血管は硬く細くなり、性的刺激を受けても十分に拡張しません。このため、勃起が不完全な状態になります。

動脈硬化を引き起こす主な原因は、LDL(悪玉)コレステロールです。
じつは、意外なものがLDL(悪玉)コレステロールの抑制に効果があります。
それは、『ビール』です。

ビールに含まれるホップには、LDL(悪玉)コレステロールを抑制し、HDL(善玉)コレステロールを増やす作用があります。HDLコレステロールには動脈硬化を改善する働きがあります。
EDでお悩みの方は、性交渉前の前に少量の飲酒はされてはいかがでしょうか。性的欲求の向上と、リラックス効果が望めます。ED治療薬の効果が、普段よりも実感できるかもしれません。

ただし、これらは少量の飲酒に限ります。過度のビール摂取には、健康に与える影響というリスクもあれば、アルコールの作用による一時的なEDというリスクもあります。また、ED治療薬の服用後は血管が拡張しているため、普段より酔いやすくなります。
健康の事を考えると、あくまで少量の飲酒にとどめておくべきでしょう。

当院の院長は、適度の赤ワインをいつも推奨しています