診療現場からの報告

第337話:ワクチンで尖圭コンジローマの予防 [カウンセラー/森下]

HPVワクチンをご存知でしょうか。
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは、性行為で感染するウイルスです。200種類以上の型があり基本的には問題を、その一部が子宮頸がんや中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの原因になります。
HPVワクチンは、以前から女児を対象に子宮頸がん予防ワクチンとして接種されていました。近年では、中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの予防が期待できるとして、男性にも接種が行われるようになってきています。現在、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスなどを含む59か国においては男性も公的接種対象となっています。
コンジローマは感染から発症までの時間が長いうえ、発症当初は感染したことに気が付かないケースも多く、いつの間にかパートナーにうつしてしまっているという事も少なくありません。
また、コンジローマは再発率が20〜30%もあり、治療には時間がかかる場合があります。
ワクチンの接種で少しでも感染の可能性を抑えられるのであれば、自分自身だけでなく大切なパートナーを病気から守るためにも受けられる方が良いですね。
ちなみに、ワクチンの接種は2ヵ月の間隔をおいて2回接種を行った後、1回目の接種から6ヵ月の間隔をおいて3回目の接種を行うそうです。働いている方にとっては、ちょっとハードルが高い接種スケジュールな気がします。
※ちなみに当院ではHPVワクチンの接種は今のところ行っていません。