診療現場からの報告

第338話:友人からもらったバイアグラ [カウンセラー/森下]

本日、過去にバイアグラを服用した事があるという方が来院されました。
服用された薬の詳細を尋ねると、「容量までは覚えていないけど、“友人”から1/2で飲むように言われたのは覚えています。」という事でした。
そして、「言って良かったのかな?ごめんなさい。」と、バツが悪そうにされていました。
謝罪をする必要はないのですが、不思議と皆さん謝罪をされます。個人間でのやり取りや個人輸入で(医療機関で処方を受けずに)薬を手にすることが、良くない事だと認識をされているからかもしれませんね。
ひと昔前、医療機関を介さずにED治療薬を入手する方法は、電柱や電話ボックスに貼ってある「バイアグラあります!」といった張り紙を見て問い合わせるぐらいでした。当然、手にできる薬は胡散臭く、安心して服用できるものではないと誰もが認識していました。
それが、時代に合わせて形を変えたものがWEB薬局をはじめとするネット通販です。HPを綺麗にそれっぽく作ればイメージが良くなり、急に安心感が増すようです。来院される患者さんでも、疑いを持たず購入していたという方が大勢おられます。
皆さん、不思議と自分だけは大丈夫と思われているようです。
ちなみに、ED治療薬は医療機関を介さずに入手できないという大原則は、今も変わっていません。例外として、『自己責任』の元に個人輸入・輸入代行などの方法があるわけなのですが、どこの誰かもわからない相手の事を簡単に信用できるものなのでしょうか。
『自己責任』という言葉の意味が、とても軽くなっているように思えてなりません。