診療現場からの報告

第104話: 天然のEDサプリ「マカ」の成分[カウンセラー/森下]

以前にもお伝えしましたが、マカには特定の有効成分が存在するわけではなく、全含有成分の相乗効果によってマカ本来の効果が生じます。
ではマカにはどういった成分が含まれているのでしょうか。
下記に、マカに含まれる成分をまとめてみました。

【ビタミンB1】
疲労回復や筋肉痛の解消、脚気(かっけ)予防、脳・神経機能を正常に保つなどの作用があるとされる。また、心臓機能を保護する働きもあります。

【ロイシン】
肝機能の強化、筋肉の増加・維持、疲労改善、免疫力の向上に効果があります。

【ヒスチジン】
成長に関するほか、神経機能の補助役割を果たすアミノ酸です。慢性関節炎の緩和やストレスの軽減、性的エネルギー向上などの効果もあります。

【ビタミンB2】
皮膚・爪・毛髪を丈夫にし健全な発育を促進、神経系の働きを正常化、脂肪燃焼の促進、高血圧症・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞といった生活習慣病やがんの予防などの効果があります。

【イソロイシン】
体の成長促進、血管拡張、肝機能強化、筋肉の強化などの効果があるアミノ酸です。

【フェニルアラニン】
慢性的な痛み(外傷、関節痛、リウマチなど)の痛みを軽減するなど鎮痛効果が高いアミノ酸です。

【カルシウム】
精神安定剤としてや、筋肉の収縮を保つ働きなどがあります。また、心臓の鼓動を規則的に保つ働きや血液を凝固させて出血を防ぐ効果、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防、白血球の食菌作用をサポートする働きがあります。

【メチオニン】
アレルギー症状を引き起こす可能性があるヒスタミンの血中濃度を下げる効果があります。抑うつ症状の治療にも有効です。また、血液中のコレステロール値の低下、アルコールからの肝機能保護、統合失調症・パーキンソン病の改善、抜け毛予防、うつ症状改善といった作用もあります。

【チロシン】
脳や神経の働きを活発にするとされています。また、脳機能の活性、自然な抗うつ剤、ストレス軽減作用、集中力向上にも効果的です。

【鉄】
体温の維持、疲労防止、成長の促進など体にとって基本的な機能を高める効果があります。

【バリン】
成長を促進し、血液中の窒素バランスを調整する効果があります。

【グルタミン酸】
脳の機能を妨げるアンモニアの排出を促進する作用があります。また、アルコール依存症の抑制、ED(勃起機能障害)の改善、記憶・集中力の向上といった作用があります。

【カリウム】
生命活動の基本的役割を担います。また、高血圧の予防、筋肉の活動促進、腎臓の老廃物の排泄補助といった効果もあります。

【アラニン】
肝機能の改善、二日酔いの予防、脂肪を分解する酵素の活性化に効果があります。

【セリン】
記憶・神経系の機能補助、抗体形成による免疫系強化、血中コレステロールの低下、皮膚の潤いを保つ天然保湿因子(NMF)の主成分などに効果があるとされる。

【亜鉛】
細胞の再生・新陳代謝、免疫機能の強化、生殖能力の低下防止、アルコールの解毒の促進、記憶力向上などの効果があります。また、コレステロールの沈着を予防する効果もあるとされます。

【グリシン】
肝臓のエタノール代謝や関節炎などの抗炎症作用があるほか、睡眠の質改善効果、抗菌作用、緩衝作用など効果は多岐にわたります。

【スレオニン】
成長促進作用のほか、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝の予防や新陳代謝の促進に効果があります。

【アルギニン】
成長ホルモンの分泌促進、筋肉増強、免疫機能の強化、血流改善、体内の活性化、生殖機能の改善といった効果があります。

【プロリン】
皮膚などの組織を構成するコラーゲンの主要成分。関節痛の緩和効果がある。

【アスパラギン酸】
疲労回復やスタミナ増進、肝機能の促進、アンモニアを体外に排出して中枢神経を守るといった効果があります。

【リジン】
からだの組織を修復し成長に関わる作用、細菌やウイルスに対する抗体、ホルモン、酵素を作る効果、集中力の向上、カルシウムの吸収を促進、肝臓機能の強化など様々な効果があります。

冒頭でも記載しましたが、本来の効果を得るためにはこうした成分が全て含まれていなければなりません。
巷でよく見かける“マカ配合”やら“マカエキス”“濃縮エキス”といったフレーズが入った商品を使われて、がっかりされた方は少なくないはずです。商品の製造過程において失われてしまう成分もあれば、そもそも使用されるマカ自体の品質が悪く成分が不足していることも多々あります。また、こうした商品には何らかの添加物が含まれている事が多く、使用するのであれば添加物の使われていない商品をお選び下さい。マカ本来の効力を得るためには、何も足さず何も引かず全ての成分を摂らないといけません
とはいえ、こうした様々な栄養素のどれかが含まれているのは確かですし、栄養ドリンク的な目的で飲まれるなら良いかもしれません(しつこいようですがマカ本来の効果という意味での期待はされない方が良いのではないでしょうか)。