診療現場からの報告

第118話: 尖圭コンジローマ [カウンセラー/森下]

少し前になりますが、お電話にて亀頭のデキモノを取りたいというご相談をいただきました。
こうしたご相談では殆どの場合、真珠様陰茎小丘疹であったりフォアダイズであるのですが、今回はかなり広範囲にわたり発症している尖圭コンジローマ(コンジローム)でした。

コンジローマのご相談をいただく場合、範囲も狭く小さいことが多いのですが、驚くことに亀頭の半分ぐらいがコンジローマで覆われていました。また、包皮にも広範囲にわたってコンジローマが発症していました。
ここまでに至った経緯をお伺いすると、発症当時に最寄の泌尿器科に受診し治療を受けていたそうです。当時はそれほど目立っていなかったため軟膏を使っての治療になったものの、3ヶ月が経過した頃には現在と変わらない程度にまで進行してしまったようです。

この時点でいったん何らかの処置を受けたとの事なのですが、1ヶ月でほぼ元通りの状態に戻ったそうです。このような状態は、ご本人からすれば苦痛でしかないはずです。念のため、他院の処置が完治するよう少し日をあけて、当院にて処置を行ないました。
その後、何度か経過観察のため足を運んでいただきましたが、しばらくすると数ヶ月前の状態が嘘のように綺麗な状態になりました。再発もなく、ご来院いただくたびに表情が明るくなっていかれることからも、やはりかなりのストレスを感じておられたのではないでしょうか。

尖圭コンジローマは、冒頭のフォアダイズや真珠様陰茎小丘疹と違い、ウイルスによる感染症の一つです。4人に1人は治療後3ヵ月以内に再発するといわれ、治療には根気が必要となります。再発を防止するためにはウイルスに対する免疫力を高める必要があります。疲れやストレスは大敵です。再発防止には健康的な生活が重要となります。そしてデキモノに気が付いたら迷わず医療機関で診察を受けてください。

ちなみにフォアダイズや真珠様陰茎小丘疹は病気ではありませんので治療の必要はありません。
参考までに真珠様陰茎小丘疹とフォアダイズ、尖圭コンジローマの写真を掲載しておきます。こうして比較すれば違いが分かるのではないでしょうか(形状や色は異なるケースもございます)。

▼ 尖圭コンジローマ ▼
▼ 真珠様陰茎小丘疹 ▼
尖圭コンジローマ
真珠様陰茎小丘疹
▼ フォアダイズ ▼
▼ タイソン腺 ▼
フォアダイズ
タイソン腺

※あくまで一例です。