診療現場からの報告

第172話: サッカー界でバイアグラ旋風 [カウンセラー/森下]

バイアグラをはじめとするED治療薬の主な効果は、肺動脈や局部を中心とした全身の血管拡張にあります。
血液には体内で全身に酸素を運搬する役割があり、バイアグラの血管拡張作用で血流が良くなれば体内の酸素運搬が促進され、運動能力(心肺機能)の向上が期待されます。

バイアグラのこうした効果に着目した一部のサッカーチームでは、選手にバイアグラを服用させるという試みがなされています。サン・ロレンソ(アルゼンチン)やリバー・プレート(アルゼンチン)、インデペンディエンテ(アルゼンチン)、アリアンサ・リマ(ペルー)といった、誰もがっ知っているようなチームでもバイアグラが使われたことがあるようです。

南米のサッカーでは標高3600m超のスタジアムで試合を行うこともあります。標高3600mといえば富士山の9合目ぐらいの標高です。酸素濃度も薄く、高山病を発症するにも十分すぎる標高です。こんな環境で90分間を走り続けるわけです。高地対策は必須となります。

こうした高地対策の一環としてバイアグラが用いられた訳ですが、低地であっても心肺機能向上は十分考えられます。心肺機能が向上は、運動能力の向上につながります。
もしかすると密かにトレーニングにバイアグラを取り入れるアスリートが、これからますます増えていくかもしれませんね。
ちなみに、日本が誇る冒険家の三浦雄一郎さんも、日頃のトレーニングにシアリスの服用を取り入ておられるそうです(第151話:シアリスで大冒険!?)。