診療現場からの報告

第260話:ニキビが気になれば [カウンセラー/森下]

5月に入り、日中は汗ばむ日も出てきました。
この季節になると、ニキビのご相談をいただく事が増えます。

ニキビ治療で皮膚科を受診すると、一般的には抗生剤やビタミン剤、漢方薬などが処方されます。
ニキビは、毛穴に皮脂が詰まることで生じる毛穴の炎症です。皮脂を好む常在菌アクネ菌が、詰まった毛穴で過剰繁殖して炎症を引き起こします。投薬によってアクネ菌の繁殖を抑え、皮脂の分泌を整えることでニキビを治療しようというわけです。

ただ、こうした治療を続けているのに、さほど効果を感じられていない方が少なくありません。なぜなら、ニキビができる根本的な原因はアクネ菌ではなく、皮膚のターンオーバーにあるからです。

皮膚はターンオーバーが滞ると、角質が厚くなって毛穴を塞いでしまいます。出口が塞がれた毛穴は分泌した皮脂を排出できず、アクネ菌の過剰繁殖を引き起こします。
つまり、ターンオーバーが正常に行われれば、毛穴の状態が改善してニキビは治るのです。

皮膚のターンオーバーを促すニキビ治療には、主にビタミンA誘導体クリームが使われます。毎日少量を塗布するだけで、早ければ数日で皮膚がめくれたり、赤みが出るなどの効果がで始めます。
ちなみに、これは私の額にできたニキビです。効果には個人差がありますが、参考にしてください。

ニキビ治療の経過

もし、ニキビを気にされているようでしたら、一度ご相談ください。