診療現場からの報告

第278話:陰部の皮膚が裂ける [カウンセラー/森下]

性行為の後に陰茎の皮膚が裂ける方がおられます。
なかには、入浴などで傷口に水が触れた痛みで気付かれる方もおられます。
これらは陰茎の皮膚が薄い方などによくみられる症状で、傷は毎回同じ部位にできます。
一般的にはクリームを塗るなどして、創部を保護しながら傷が治るのを待ちます。
所謂、対処療法です。
根本的な治療は、皮膚の弱い部分を取り除くという外科的治療になります。
ただ、皮膚の余り具合や傷のできる範囲などによっては、術後も若干症状が残る場合もあります。施術は包茎手術と同じ内容で、1時間程度で終わります。術後はすぐにお帰りいただけますので、中にはお仕事中に抜けて来られる方もおられました。
こういった傷ができる原因は、皮膚が引っ張られることで弱い(薄い)部位に過度な負担がかかることにあります。例えば女性器がまだ乾いている状態で挿入を行ったり、無理な角度から挿入して性行為を行った場合です。また、過剰な力を加えてマスターベーションを行ったことで生じることもあります。
年齢とともに皮膚は弾力を失うため、30~40代以降の方からのご相談をよくいただきます。
手術までは考えていないという場合は、受傷後1ヶ月程度は創部に負担をかけないことをお勧めしています。仮に傷は塞がっていても、当初は皮膚組織が硬くなり柔軟性を欠いています。もしこの状態で負担がかかれば、同じ部分かその周辺部分の皮膚が簡単に裂けてしまいます。皮膚が柔軟性を取り戻した後も、性行為ではローションの使用や、挿入角度の調整が必要です。こうした工夫で、再発のリスクは低減します。
ただ、それでも再発する事はあります。もし根本的な治療をお考えの場合は、一度ご相談ください。