診療現場からの報告

第296話:EDには乳製品が有効?[カウンセラー/森下]

高血圧・糖尿病・高脂血症等の生活習慣病といわれる心血管系のリスクは、動脈硬化を引き起こし、EDを発症する要因として有名です。こうした心血管系の健康を心配して、飲食物に気を使われている方は、割と多いように感じます。
なかには動物性脂肪の摂取を抑えようと、乳製品を控えておられる方もおられます。
実は、こうした乳製品断ちはあまりお勧めできるものではありません。
なぜなら、乳製品には心血管系の状態を良くする働きがあるからです。
乳製品の摂取と心血管系の健康について、欧米では長期間にわたる大規模な調査が行われてきました。詳細な因果関係までは解明されていませんが、調査結果から乳製品の摂取量が多い方が、心血管系のリスクが低減することは確かなようです。
ただし、乳製品にも例外はあるようです。
英レディング大学生命科学部のKatherine M. Livingstone氏らの研究では、牛乳、生クリーム、チーズについては心血管系に良好な影響が認められたものの、バターに関しては摂取量に比例して、インスリン分泌、中性脂肪、総コレステロール、拡張期(最小)血圧の上昇が認められたようです。
生クリームやチーズは良くて、バターは良くない(良くないという表現は語弊があるようにも思いますが…)。何かしら原因はあるのでしょうが、不思議な話です。
EDの改善や予防には、心血管系の健康がとても重要です。普段から乳製品をあまり摂取しておられないようなら、今日から毎日乳製品を摂取されてはいかがでしょうか。
変なサプリメントや精力剤を飲むよりも、良いように思えます。
ちなみにバイアグラレビトラを服用する前後は、乳製品の摂取をお控え下さい。