診療現場からの報告

第309話:ED≠年齢 [カウンセラー/森下]

62歳の患者様からEDに関する多岐にわたるご相談メールをいただきました。
最初はED治療薬についての漠然としたご相談だったのですが、ご質問のたびに内容が具体的になり、最終的には「加齢とともに性欲が低減」「不満足な勃起」という2点で悩まれていることが分かりました。
内容的にはEDのご相談ですので、治療薬の服用で十分に満足していただけるはずですとお伝えさせていただきました。
こうしたEDでお悩みの方がよく口にされる言葉に、“年齢のせい”というフレーズがあります。この方も「年齢のせいで勃起が弱くなった」、「年齢のせいで性欲が無い」とおっしゃられていました。
確かに、加齢によって性欲は低減します。しかし、60歳ぐらいの年齢で性行為に影響が出るほど性欲は低下するものなのでしょうか。
2017年の現代性教育研究ジャーナルに記載されていたデータによると、70代既婚男性の31%が、(パートナーがいる)60~70代単身男性の70%が、年に数回以上は性交渉を行っているとあります。また、マスターベーションを月1回以上行っている男性は、単身者では60~70代の52%、60代の既婚者で40%、70代で31%となっています。単身と既婚者の差は、同居家族の有無という環境の差によるものかと思われます。
こうしたデータをみていると、年齢による影響はそれほど大きくないように思えてなりません。
実際、来院される60歳前後の方々も「年齢のせい」とは言われますが、性欲が無くなってEDになったのではなく、EDになったことで性欲が低減しておられる方がほとんどです。
「年齢のせい」とEDを受け入れてしまっている方々は、一度ED治療薬をお試しください。ED治療薬は血流を良くすることで、ご自身が有している勃起能力をサポートしてくれるお薬です。勃起薬や興奮剤ではありません。60代でも性行為を諦める必要が無い事を実感していただけると思います。
それにしても「年齢のせい」というフレーズは、EDを「仕方ない」と納得させる魔法の様な言葉ですね。
ちなみに、世界記録遺産にも登録されている中国最古の医学書「黄帝内経」には、64歳まで子供を作れると記載されているそうです。古代人に負けていられませんね!