診療現場からの報告

第331話:今日はバイアグラじゃなくて… [カウンセラー/森下]

本日、来院された40代の患者さんの事例です。
普段からバイアグラの処方で定期的に来院されている方ですが、今回は別件でご相談をいただきました。
昨日から排尿時に尿道の痛みを感じるようになり、今朝からは尿道から膿のような物が出ているという事です。排尿時の痛みも昨日より強くなってきているという事で、バイアグラを取りに来るついでと連絡をいただきました。
来院されてお部屋に案内すると、淋病だから薬が欲しいとおっしゃられます。お話を伺うと、確かに淋菌性尿道炎の可能性が高いように思います。
ただ、淋菌とクラミジアは同時感染することも多く、淋菌に感染しているという確証がない以上、検査は行う必要があります。患者さんにもその旨を説明しましたが、自分は淋病に感染しているとの一点張りです。何故断言できるのか不思議でしたが、理由は意外なところにありました。
どうやら今回と同様の症状で、1か月程前に他院で淋病と診断を受けてたそうです。その時は1週間分の薬を処方され、3~4日で症状は改善したそうです。
ただ、症状が治まった時点で薬の服用を止めてしまい、ちゃんと最後まで全部飲まなかったため、再発をした可能性が高いと自覚されての淋病発言だったようです。
例え症状が治まっても、決して治ったわけではありません。処方を受けた薬はきちんと最後まで飲み切って、病原菌を叩き切らなければなりません。
今回の方の様に中途半端に薬を使う事は、再発や耐性菌を生み出すことにつながります。また、治ったと思い性交渉をしていた場合、パートナーへの感染している可能性もあります。
皆さん、本当に注意してください。
ちなみに、バイアグラは治ってからにされるという事で、今回は持って帰られませんでした。

 

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