診療現場からの報告

第328話:3人に1人がEDの時代 [カウンセラー/森下]

昨年、全国規模の性機能障害の実態調査の結果が発表されました。
内容としては、ED(勃起障害)の有症者数は約1400万人にものぼり、成人男性全体の約7割がセックスレスだという衝撃的な内容でした。これは日本人成人男性の約3人に1人がEDの有症者という驚く結果です。
なお、前回の調査は25年前に行われています。調査結果をみると、当時のED有症者数は約1130万人でしたので、この25年で300万人近くもED有症者が増加したことになります。
25年前と言えば、PCの普及率が一気に上昇し始めた時期です。当時は13~14%だったインターネット普及率も、5年で64%を超えるまでになっています。2012年頃からはスマートフォンの台頭により、加速度的に社会構造が変化したように思われます。まさに現代の産業革命と言える変化です。
また、2019年からのコロナ禍や、2022年からのロシアのウクライナ侵攻など、世界的な経済を揺るがす出来事が続いています。
これだけ大きく生活を取りまく環境が変化すれば、誰もが大きなストレスに晒されてきたはずです。こうした時代背景を考えると、ED有症者が300万人近く増加したのは当然の結果になのかもしれません。
なぜなら、EDを発症する一番の原因はストレスだからです。
ちなみに、今回の調査では30代、40代よりも20代の有症率が高いことも示されました。20~24歳の有症率は26.6%で50~54歳では27.8%と、ほとんど差はありませんでした。
年齢のせいでEDになったと十把一絡げで考える方も多いですが、年齢だけがEDの原因ではないという十分な根拠ではないでしょうか。