診療現場からの報告

第291話:ポルノ依存症[カウンセラー/森下]

インターネットが普及し始めてからの20年で、私たちの生活環境は大きく変化しました。ネット通販の台頭。SNSの普及。ニュース等のデジタルコンテンツの配信。光回線が普及した近年では映画やドラマ、音楽、ゲームといったコンテンツまで、インターネットで楽しめるようになりました。
大きく変化をしたものは他にもあります。『性』においてのインターネットの影響もはかり知れません。元来、本やビデオ・DVDが主流であった性的コンテンツが、動画配信によって“いくらでも”楽しめる時代になりました。
便利な時代になったものですが、それなりに弊害はあります。
AVやアダルトDVDの普及でアダルトコンテンツは静的コンテンツから動的コンテンツへと大きく変化しました。この変化に伴い性的刺激は格段にリアルになり、多種多様な性的趣向にも対応できるようになりました。理想の女性と理想のシチュエーションで『性』を楽しめる時代になったわけです。
スマホが普及した近年では、こうした性的コンテンツがより身近なものになりました。
“いつでも”“どこでも”“いくらでも”というように、誰もが簡単にアダルトコンテンツを楽しめます。男性の半数以上が13歳未満で性的コンテンツ(ポルノ)を経験しているというデータもあるぐらいです。
こうした過度な性的刺激は、下手をすると性行為での刺激を上回ります。思春期から過度な刺激を受け続けていると、性行為で十分な性的刺激を得にくくなるのは当然です。実際、性交渉になると勃起し難いというEDのご相談を、20歳そこそこの方から度々いただきます。
「バイアグラ=年配の使う薬」というのは、もう昔の話です。
春画で興奮を覚えていた時代の男性には、考えられない話ですね。