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診療現場からの報告

第4話:傷跡を目立つように、との依頼   [院長/西川]

もう十数年も昔の話ですが、仮性包茎ではあるけれど全然たいした状態ではないので、  特に治療の必要はない旨お伝えした方で、何が何でもとの事で結局手術する事になり、 手術後十日ほどして、再度相談したいのですが、と再来された方がおられました。  日本とインドネシア間での貿易関係の事業をされている40代半ばの方で、 インドネシア人の奥さんと二人でジャカルタに暮らしていると。 手術後の傷がほとんど目立たないので困った?と。 はっきりと目立つ傷跡を残して欲しかった、との事でした。 インドネシアは回教徒の国(私も好きなバリ島はヒンズー教ですが)で、割礼の風習があり、 ビジネス上のトラブル等の際、(インドネシア国籍は取得していても元来彼は日本人なので) 割礼を受けているか否かが非常に重要であると(最後は、お互いがその傷を見せあったりするそうで)。 それで合点がゆき、再手術となりました。  傷跡を目立たせる目的の手術は後にも先にもこれが唯一でした。

数カ月後に来日された際に、またまた相談があると言われ、お会いする事になりました。 インドネシア人が受けている包茎手術の傷跡に比べて、あまりにきれいであった事と、 治療時間の短さ、術後の痛みの違いに驚いた(私の手術が取り立てて特別でも何でもないのですが)と。 いくら割礼といった宗教的側面の強い風習であれ、やはりきれいな、できるだけ痛くない治療を望むものは実は非常に多いので、インドネシアでの医師のライセンス、医療施設等全て、これこれしかじかの段取りをするので、 ジャカルタで仕事をしてくれないか、との内容でした。 あまりに急な話だし、日本を離れる事など考えもしなかったので、丁重にお断りしました。

割礼については、調べていく程奥深く、また面白くもありますが、 現在の日本人の感覚では全くもって理解しがたい風習ではありますね。

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