第351話:男性用経口避妊薬 [カウンセラー/森下]
ピルや皮膚パッチ、避妊リング、IUD(子宮内避妊器具)、注射などの避妊方法がある女性に対して、男性の避妊方法はコンドームとパイプカットに限られています。
そんななか、男性用のピルの研究開発が進んでいます。
        そんななか、男性用のピルの研究開発が進んでいます。
従来の男性用ピルの考え方は、プロゲスチンを投与して精巣内で精子が作られるのを抑制しようというものでした。しかし、この方法ではテストステロンの値が低下するため、テストステロンを1日2回摂取しなければならず、肝臓への負担や感情変動という副作用の問題が生じました。
        2016年にはテストステロンを元にした避妊薬の開発が、重大な副作用が確認されたことから中止となっています。
        こうした経緯を経て、現在アメリカでは非ホルモン性男性用避妊薬YCT-529の研究が進んでいます。マウスを用いた実験では99%という高い避妊効果が確認されたそうです。また、投薬停止後4〜6週間で生殖能力は取り戻され、副作用も確認されなかったようです。
市販にはまだまだ時間がかかりますが、男性避妊の新たな選択肢が増えるかもしれません。
        市販にはまだまだ時間がかかりますが、男性避妊の新たな選択肢が増えるかもしれません。
ただ、こうした避妊の手段が増えることは良い事なのですが、手放しで喜ぶことはできません。
        現在の主な避妊方法はコンドームの使用です。コンドームは避妊目的で使用されますが、それ以外にも性感染症の感染防止という面で高い効果があります。
もし、男性用経口避妊薬の市販が始まれば、コンドームが使用されなくなり性感染症の感染者数が爆発的に増えるのではないでしょうか。考えるとゾッとします。
        
      
      
      
      
      
    もし、男性用経口避妊薬の市販が始まれば、コンドームが使用されなくなり性感染症の感染者数が爆発的に増えるのではないでしょうか。考えるとゾッとします。











 
 