診療現場からの報告

第116話: 奥様より [カウンセラー/森下]

先日、とある女性からご連絡を受けました。
お話をお聞きすると、ご主人様のEDについてのご相談でした。こうしたご相談は時折いただくのですが、不思議なもので内容は皆さん類似しています。

@EDであろうご主人様に対しての接し方
Aご主人様を受診させる方法

の2点についてです。

<@について>
ご主人様のEDは殆どの場合、子作りでタイミング法に取り組んだことが発端になっているようです(参考:第103話 不妊治療(タイミング法)でEDに?)。女性にしてみれば、この日が1番受精の確率が高いと分かっている以上、何が何でもその日にという想いに駆られるのは至極自然なことだとは思います。

しかしながら、男性はそういうわけには行きません。
「今日は絶対に失敗できないっ!」というプレッシャーが義務感となり、徐々に奥様との性交渉が義務的なものに感じるようになりがちです。

勘違いのないようにしていただきたいのですが、決してタイミング法が悪いということではありません。
問題なのはご主人様への伝え方なのではないでしょうか。あえてご主人様に伝えなでいることも一つだと思います。そうすれば、男性にとっては自然な流れでの性交渉となり、余計なストレスでEDを発症することもなくなります。

<Aについて>
また、ED治療での来院を拒否されるご主人様についてですが、男性自身が自分の身に起きたEDの症状に気付かないはずがありません。EDの症状が出ているということは前述の様に、ご主人様にとって奥様との性交渉はすでに自然な物ではなくなっている可能性があります。病院に行けといった発言や、子供が欲しくないのかといった発言は状況を悪化させるだけです。
以前、第98話でも少しだけ触れましたが、ご主人様への性交渉に対するプレッシャーは厳禁です(参考:第98話 妻だけEDって)。病院へ行くよう頼む際は、EDが脳梗塞や心筋梗塞のサインである可能性を指摘し、「心配だから一度相談してほしい」という程度にしておくべきでしょう。こうした違う角度からお話をすればご主人様のお考えも少しは変わるかもしれませんね。

ちなみにED治療薬バイアグラレビトラシアリスは医療機関での処方が必須となっています。
多くの方がサプリ感覚でお薬を求めてこられますが、ED治療薬はれっきとしたお薬です。治療中の病気の病状、服用中のお薬の名前ぐらいは分かるようにしたうえでご来院下さい。