診療現場からの報告

第165話: レビトラは食べてもいい? [カウンセラー/森下]

レビトラは食事の影響を受けない。
どこまで本当なのか分かりませんが、こういったふれ込みをよく見かけます。

レビトラの製造販売元であるバイエル薬品によると、レビトラは標準的な食事の直後に服用しても、何ら食事の影響を受けないとのことです。バイエル薬品が言う標準的な食事とは、総エネルギーに占める脂肪の割合が約30%までの食事を指すようです。
正直、分かりにくい表現です。

脂質のエネルギー量は1g当たり9kcalとなります。
500kcalの食事をとる場合、脂質が16.6g未満であればレビトラの服用に影響がないという計算になります。
では、実際の食事に当てはめてみます。(あくまでエネルギー量は目安です。調理方法や使用する素材によって大きく変わります。)

松屋の牛めし(並)は735kcal、脂質23.4gになり、レビトラの服用に影響はないといえます。
しかし、ここに生玉子をつけると806kcal、脂質28.2gとなり、脂質の割合が総エネルギー量の30%をオーバーするためレビトラの服用には影響が考えられます。

吉野家の牛丼(並)は669kcal、脂質23.4g。脂質が総エネルギー量の30%を超え、レビトラの服用には影響が考えられます。

なか卯の和風牛丼(並)は715kcal、脂質18.86g。生玉子をつけても802kcal、脂質24.63gとなり、レビトラの服用に影響はなさそうです。

マクドナルドの場合、ビックマックは530kcal、脂質28.2gとなり、レビトラの服用に影響が考えられます。
ちなみに他のハンバーガーでも脂質が30%を下回るものは無さそうです。

正直、「ふーん」としか言えません。
年配の方ならともかく、30代、40代の働き盛りの男性が食事をして、レビトラの効果に影響が出ないと本当に言えるのでしょうか?
また、食事全体の総エネルギー量は考えなくていいのでしょうか?
さらに言えば、「レビトラが食事の影響を受けない」という話の根拠は、たった24例からなる海外のデータでしかありません。はたして日本人がレビトラを服用した場合も同じ結果が出るのでしょうか?
食事の内容次第とも言えますが、患者さんとお話をすればするほど「本当に影響はないの?」と言いたくなります。

これらをふまえて当院では「レビトラは食事の影響を受ける」という説明を行っています。

レビトラの薬物動態